こんにちは!リクルーティング・パートナーズの太田(@kekobus1989)です。
2020年も、はや1ヶ月。
新年のスタートを切り、人事・採用担当の皆様におかれましては、新卒の採用実務で慌ただしい毎日を過ごされているのではないでしょうか。
さて、先日こちらの記事を読みました。

2020年は5G普及元年です。商業的にはまずは広告の動画比率の爆増から影響が始まると思いますが、それによって生活者が今以上に動画コンテンツを抵抗感なく消費するようになっていきます。Airpodsなどのワイヤレスイヤホンの普及も相まって、商業的にも動画コンテンツが爆増していくでしょう。
めちゃめちゃ分かる…! リクパーのクリエイティブ関連会社(リクパー・コミュニケーション・デザイン)でも最近、採用広報の一環として採用動画の制作依頼が増えてきました。

うちも動画にチャレンジしたい!
でも、採用動画ってどう作るの?
制作費が高いけど、効果はある?
そんな人事・採用ご担当者様も多いですよね。 実際、googleで検索してみても、採用広報に関する動画の事例は多々あれど、「どうやってつくるか」という考え方について書かれた記事はあまり見当たりません。
そこで!今回は
・採用広報動画を制作する前に考えるべきポイント4つ
について書いてみます。
採用広報動画には5パターンある
採用広報動画というと、どんなイメージを浮かべますか?
・社員インタビューでろくろ回しがち
・イケイケ社員が座談会に出がち
・会社の良いところだけアピールしがち
なんとなく、会社のポジティブな部分だけを「いい感じ」に映像にまとめている印象がありませんか?
しかし、採用ブログ(採用広報)や採用動画といったコンテンツはマス向けのCMとは異なり、あくまで自社にフィットしてくれる人に振り向いてもらうための手段。
「なぜ採用動画を作るのか」を考えるにあたって、まずは解決したい採用課題の焦点を絞り、最適な訴求をすることが大切です。
図にまとめるとこんな感じ。
ひとつずつ説明しますね。
認知~関心(母集団形成)▶「出会う」動画
求職者のほとんどはあなたの会社のことを知りません。 まして、興味を持ってくれているわけでもありません!
したがって、まずは採用ターゲットに自社のことを認知し、視野に入れてもらう必要があります。
「へー、なんかおもしろそう!」
「これって私のこと言ってる?」
と共感してもらい、「社名を指名検索してくれる」ようになることがまずは第一ステップ。
ショートムービーやキャッチーな展開で、ぱっと見た人にも印象にのこる動画であることが重要です。
個人的には、この動画が大好き(笑)
母集団形成に特効薬なし
とくに中小企業の採用ご担当者様のお話をうかがうと、「母集団形成がうまくいってなくて…」とぼやかれることが多いです。だから動画制作会社さんからの「採用動画で応募が増えますよ」という甘いささやきに、期待したくなる。
でも、ちょっと待ってください! それ、「作って終わり」の罠かもしれません!

せっかく何百万円もかけて作ったのに、全然閲覧されてない!
まず、認知のための動画を作っても、よっぽどバズるもしくは広告出稿などをすることがない限り、ほとんど観られることはありません。そりゃもともと知られていないところが、動画を作っただけで有名になるなんて虫のいい話はありません……。
動画をつくる、だけではなく、「見てもらう」ための導線設計が必要です。
また、ほとんどの動画制作会社さんは、動画を納品した後のことは考えていません。 したがって、動画を見た後の応募導線や選考フローなどを整えることが、採用ご担当者様の腕の見せ所です。
最近ではこのあたりのことをひっくるめてCX/Candidate Experience設計とも言いますね。
・認知以降のフロー(応募導線や選考プロセス)を整えているか?
比較検討~応募▶「知る」動画
貴社のことを何らかのチャネルで認知し転職先として視野に入れた求職者は、次に必ず「比較検討」を行います。

リクナビも求人媒体も、閲覧数はそこそこあるのに応募が少ない
という企業さまは、採用サイト内に会社のことをわかりやすく説明するための動画を置いておくとよいでしょう。説明会の代わりにもなるため、採用実務の省力化にも効果的です。
求職者がwebサイトなどを通じて比較検討する項目はおおむね以下。
・どんな仕事か?
・どんな事業を行う会社か?
・何を目指しているか?
こういった施策は、応募ハードルを下げるのにとても効果的です。
面接・選考▶「見立てる」動画

・応募した自分は間違っていないか?
・うまく職場になじめるか?
・もしミスマッチだったらどうしよう…
特に近年は、就職活動の際に「カルチャーマッチ」を重要視する求職者の方も増えてきています。
ここで重要なのは、「求職者がその会社でリアルに働くイメージが出来ているか?」。
社員インタビューや座談会などで具体的なイメージを見せるのはこのタイミングが望ましいでしょう。
また、選考中は企業・求職者双方が「自分と合う/合わない」を見極める期間でもあります。
動画というとどうしてもいいところだけ見せたがる気持ちはわかりますが、自社にマッチしない方からの選考や入社は、お互いを不幸にしてしまいます。
一見すると不利な条件や弱み、大変なところなどもあえてさらけ出し、ミスマッチを防ぐことも必要です。
内定・内定承諾~入社前▶「結ばれる」動画
晴れて最終面接を通過し、「ぜひウチに!」と握手する。
採用担当者様にとっても、内定・内定承諾って一番感慨深い瞬間。
しかしながら、求職者にとっては入社への期待も大きい反面、実は選考プロセスにおいていちばん決断が揺らいでしまう時期でもあります。
とくに中小企業さんにとって、内定辞退は死活問題。
内定者が「ここを選んでよかった!ここで自分も輝きたい!」と思っていただくためにも、会社の内側に一歩踏み込んだメッセージを届けましょう。
このタイミングで「効く」採用動画とは、聞こえのいいキレイゴトではなく、求職者の感情を揺さぶる「小さな映画」であると言っても過言ではありません。
入社後エンゲージメント▶「深める」動画
動画制作を通じて、社内の人が他のメンバーに対して日頃なかなか言い出せない想いを言葉にする。
その想いが会社のビジョンや未来とつながっていく。
動画制作よりも前に:採用コミュニケーション設計の重要性
さて、ここまで採用動画のパターンについて説明してきました。
特に実例に関しては、実際には厳密に分かれているわけではなく、弊社グループ会社でもお客様のヒアリングに応じた動画を制作しています。あくまで参考のひとつとして眺めて頂けますと幸いです。
しかしながら、なによりいちばん肝心なのは、「誰に」向けて「何を」届けるのか。
「動画」という手法の話に終始せず、まずはここをしっかり固めておくことが重要です。
ここでは簡単に、採用コミュニケーション設計を考えるにあたって押さえておくべきポイントをお伝えします。
→採用ターゲットの設定と人材要件定義
・その人(採用ターゲット)には自社のどこに魅かれるか?
→自社らしさ、魅力の明確化
・その人(採用ターゲット)と自社とが共感し合えるポイントは?
→「共感の接点」の想定
・その人に受け取ってほしいことは?
→採用コンセプト、メッセージの言語化
「あれ!?こんなに高いお金かけたのに、思ってたのと違う…(失敗したかも!?)」とがっかりすることはなくなるはずです。
まとめ:5Gだの採用動画マーケティングだの、踊らされなくていい
少し長くなりましたが、採用動画について考えるにあたって整理しておきたいことについて書きました。
最近、採用広報や採用動画といった採用をめぐるチャネルやサービスって目まぐるしく変化していってますよね。 周りを見渡すと、いかにも自分たちが他社より劣っているのではないかと不安になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか…。
しかしながら、転職や採用活動をめぐる人と企業の営みって、実は”真ん中”はあまり変わっていないのかもしれません。
いい人に会えれば、うれしい。
これは伝説のコラムニスト・天野祐吉さんが1991年に『求人広告半世紀』という書籍の中で求人広告について書いたキャッチコピーです。
採用活動の本質って、1940年代に新聞の片隅に3行広告を出していた時代からずっと、実は変わっていません。 だからこそ、市場の動向に右往左往して、なんとなく動画に手を出しちゃう…というのはもったいない。
したたかに、まっすぐに。 自社にとっての「いい人」に届く採用動画やメディアを作っていきたいものですね。
最後にちょっとだけ、宣伝
ちなみにリクパーは、採用・広報動画制作、大得意です! 採用領域×動画領域の双方の知見を持つ、全国でも珍しい制作会社(リクパー・コミュニケーション・デザイン株式会社)を擁しています。
・採用コミュニケーションデザインのプロによるコンセプト言語化
・採用動画制作実績&事例多数
人事・採用ご担当者様の課題感をしっかりと理解しながら、採用クリエイティブをともにつくる。 そんなパートナーであれたら、と思っています。 お問い合わせはコチラから、お気軽に!
タイトルに「採用動画について」と記載いただけましたら幸いです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!